投資女子は孤独死が怖い

元営業OL。新米ママに戸惑うクソ女の独り言。

音楽で食うために楽器を捨てる

この前、元彼の働いてるBARに飲みに行き

もやもやが積もったので、今回は所謂ヴィジュアル系バンドマンについて書きます。

 

その元彼とは、私が20~23歳まで約3年間付き合っていた。

この元彼とのエピソードは非常に長くなるので、今回は省略_(:3 」∠)_

 

元彼の現在のプロフィール

年齢 35歳(現在の年齢)

身長 172cm

職業 ヴィジュアル系バンドマン、バーテン

年収 400万~

住まい 実家

タバコ吸う、酒飲む、ギャンブルする

 

絵に描いたようなダメ男ですね。

 

ヴィジュアル系バンドマンと付き合ってた言うと大体

バンギャ(ヴィジュアル系バンドファンの女の子の総称)だったの?」

と言われるけども三十路はバンギャでは無く、元メタラー(メタルファンの総称)である。

 

彼と付き合った経緯を軽く説明すると

三十路が18歳の時からの友達なのだが、なんだかんだ付き合うことになったのだ。

(説明になってない)

元々、本質的な性格や考え方がそっくりだったので

お互い自分の男Ver.女Ver.と明言していたくらい波長が合った。

仲は良かったし、お互い良き理解者だった。

 

共通の友達も多い為、別れてから数回会う事はあったが

ちゃんと話すようになったのは

一昨年に彼の親友で私の友達でもある人がBARを開いてからだ。

 

元カレはそのBARで働いていて、私は客として飲みに行ったのがキッカケで

自然と昔みたいに話すようになった。

 

お互いに恋愛感情があるかはさておき

 

元々、お互いが人間として好きである。

そしてお互いの理解者なのには変わりはないので

お互いの愚痴を聞いたり、相談したり

今はそんな関係だ。

お互いのちょうど良い距離を分かっているので、お互い踏み込みもしない。

そんな関係性が2年程続いている。

 

 

そんな奴も、もう35歳だ。

バンドマンをやるにしても、正直歳を取り過ぎた。

いい歳こいて、未だに就職もせず音楽で食う事を目指している。

世間的に見れば痛い奴だと思う。付き合ってた当時も私の周りからは大反対を受けていた。

 

 

でも、奴が本気なのは痛い程知っている。

音楽しか取り柄が無いバカなのだ。

ヴィジュアル系というと音楽は二の次のイメージはあるけども

奴は他ジャンルの人にも認められるくらい上手い。

ひたすら、音楽だけをやってきた成果か

今では細々だが音楽での仕事も貰えているのでホントに良かったなと思っている。

 

 

そして去年、奴に今までに無いチャンスが舞い降りてきた。

 

スポンサーが出来たのだ。

 

元々BARのお客さんなのだが、奴の音楽性、人柄を気に入ってくれ

奴の活動に支援してくれる事になった。

 

そのスポンサーさんと私も仲良くさせてもらってるのだが

豪快で気持ちのいい人だ。

その人も幼い頃からの夢をひたむきに目指し続け成功した人である。

 

奴には音楽の才能はあるが、ビジネスにおいてはからっきしだ。

音楽も言っても、金を稼ぐのならビジネスである。

 

ビジネスプランを考え、お金を出してくれる人と奴はやっと出会えた。

そのチャンスは遅すぎたのかもしれない。

でも、耐えに耐えやっとこさ舞い込んできた1つの希望だった。

 

 

後は、そのビジネスが成功する為に

自身ができる事を全力でできる事をするだけだったはずだった。

 

奴1人で出来る事では無い。

あくまでも、バンドに来たチャンスだから。

 

ビジネスの始動前に、サポートメンバーだった1人が脱退する事になった。

彼には、メインでやっている別のジャンルのバンドがあったからだ。

どのバンドマンから見てもいい話ではあるが、彼はメインのバンドで有名になりたいが本音だった。

メインのバンドが軌道に乗っている中、その規模のサポートは出来ない事、正規のメンバーとしてやりたいと現在思っていない事を理由に脱退した。

実際正規のメンバーでは無く、サポートだったので仕方ないと思う。

 

 

出だしから、サポートメンバーの脱退というトラブルはあったが

他のメンバーから賛同を得て始動の準備に入った。

 

 

ビジネスと趣味は違う。

それは趣味でお金を稼げたら一番いいが、お金を稼ぐという事は相応の仕事が必要だ。

 

ましてや、スポンサーがついてお金を出してくれるとなると余計にだ。

自分達の考えやこだわりより、スポンサーの意向が優先される事も多い。

 

残ったメンバーの中でも始動に至るまで、だいぶ揉めた。

新衣装を作り、新しいアーティスト写真を撮ったが

スポンサーの意見をちゃんと反映せず作ってしまい、全部1から作り直しになった。

 

プロを経験した事が無いアマチュアだからこそ、やってしまうミスだ。

 

スポンサー側もバンドのプロデュースは初めてなので

互いのすり合わせが足りなかった部分と任せすぎていた事に反省し、作り直し費用も全部出してくれたそうだ。

ただ、取り直しはスポンサー主導の元でやる事になった。

 

日本でやった海外の協力者を招いたプロモーションライブでも

スポンサーにMCやキャラの作り方など多大なダメ出しを受けた。

 

マチュアとプロのギャップに耐え続ける状況になった。

 

しかし、それでもビジネス始動の要となる、海外でのイベントをやり切った。

 

 

日本でやったプロモーションライブには行ったが

海外イベントの前後は、私も忙しく店に顔を出しに行ってなかった。

 

FBやLINEのタイムラインで、イベント後もちょくちょく海外に行ってるのを見て

前に進んでるのだろうと思っていた。

 

 

そして、数日前に時間がちょっと空いたのでフラッと奴の居るBARに遊びに行った。

 

連絡もして無かったのと、早い時間だったのもあり

店に入ると奴がポツリと一人でカウンターに座っていた。

 

 

「びっくりしたー、いらっしゃい。ビールでいいよね?」

 

「調子はどうだい?ビールでお願い。」

 

「んー、あんまり良くないね。俺も一杯もらってもよいですか?」

 

「どうぞ。なんかあったのかい?」

 

BARのシステム的に、お客さんから貰った場合はスタッフも飲んでいい。

遅い時間ならともかく早い時間に奴が飲もうとするのは珍しい。

自分が貰った酒は給料に反映されないので、スタッフはすすんで飲む必要は無いからだ。

 

乾杯した後、奴は細々と話始めた。

 

「もうすぐ店の周年のイベントなのに、スタッフがいないんですよね」

 

「あらま、○○は?(奴のバンドのメンバーも同じ店で働いている為)

スポンサーさんも店の周年だったら絶対来るから、出なきゃでしょ?」

 

「…○○は、今はほぼ出勤してないんですよね。」

 

「どしたの?もう1個のバイト忙しいの?」

 

「…本人は忙しいって言ってるけど、スポンサーさんに会いたくないんだと思う。」

 

「なんかやらかしたの?」

 

「…辞めたんですよ、バンド。

スポンサーに“親の死に目に会えなくても音楽やってく覚悟はあるな?”って聞かれて

それは出来ないってなって、俺以外辞めちゃった。

スポンサーは激おこで、しばらくホント大変だったんだよ。」

 

 

「え?ちょっと待って。

始動に向けて、スポンサーさんが出してくれたお金って500万は軽く超えてるよね?

始動前にそうなるならわかるよ。そんな簡単にやっぱ出来ないじゃないでしょ。

始動ライブは成功したんだよね?」

 

 

「ライブは成功しましたよ。イベント後もあっち残って挨拶周りして営業活動して。。

次の準備に入る時に、スポンサーにメンバー集められて再度意識確認されたのね。

そしたら、やっぱり出来ないって○○が言い出して。

続いて他もみんな”出来ない”って言いだしたんだよ。

 

お金もそうね。。

交通費、宿泊費、機材の運搬費、広告費、滞在費、会食費だったり全部持って貰って。

メンバーには生活費として、それぞれ30万支給してもらってこれですよ。」

 

 

「…スポンサーさんなんて言ってるの?」

 

 

「”思い出作りに俺は使われたのか”って、すごい怒ってたよ。

ただ、ありがたいことにまだ俺にやろうって言ってくれて

メンバーをやっと1人見つけたから、しばらくは2人でやるかな。。」

 

 

「ここまで来たらやるしかないもんね。」

 

 

「出来る事は全部やりますよ。これで終わりたくも無いんで。

ただ、俺もその動きやらなきゃいけないから店が人手不足で

今店長も病んでるよ。店長も店長で悪いけど。」

 

 

「まぁ、店は店長に頑張って貰うしかないよね。

両方抱え込むのは無理だしね。

 

ただ、私は30過ぎてもバンドやってる奴はみんな音楽で食えるようになりたいんだと思ってた。

趣味だったら、さすがにもう就職してたまにライブやればいいじゃん。」

 

 

「俺も1番それが意味わかんないんだよ。

俺は音楽で食ってく為だったら、自分の意図じゃない事でもやるよ。

ずっと、チャンスを得る為に嫌な事でもやってきたよ。

でも、みんなは違ったみたい。

付き合い自体はみんな10年来の付き合いなのに、俺もわからなかったよ。

ただ、今は前向いてやってくしか道は無いからね。」

 

「・・・君はホントにメンバーに恵まれないね。

出来る事やってくしか無いよね。スポンサーさんに頭上がんないね。」

 

「ホントにそれね。

頭上がるわけがない。久々に会って愚痴ですまんね。」

 

。。。。。。。。。。

 

 

まぁ、ヴィジュアル系だからなのだろうか。

正直ヴィジュアル系は他ジャンルよりも、人気出るのは簡単である。

お小遣い程度に月に数回ライブをやって月数万円稼ぐくらいは少し頑張れば出来る。

 

イメージ的に地下アイドルと一緒かな。

動員が30人以上いるバンドなら物販でお小遣い程度なら稼げるから。

なんなら、貢いでくれるファンも見つけやすい。

 

ある程度の動員で人気あるフリができ、承認欲求は満たされる。

貢いでくれるファンも多いから、金を出して貰うのは当然という感覚麻痺になってしまうのかとも思う。

 

プロ意識は全体的に低い。

俺カッコイイ!俺の好きな世界観はこれ!!

というただのオナニーでもファンは獲得しやすいからだ。

なので、キャラもぶれやすい。

ただ、キャラがぶれても新たなファンが付く。

 

解散して、新しいバンド組んでを繰り返す。

長くやってればやってくだけ、良くも悪くも知名度は上がってく。

 

ずっと同じメンバーで同じバンドをやれてる所の方が全然少ない。

2~3年持てばいい方なんじゃないかな。

 

メインのファン層は10~20代の若い女子だ。

化粧でイケメンに変身し、身近で甘い言葉を囁き、ライブで彼女らにストレス発散の場を与える。

会いに行ける、上手くいけば自分の手に入る(付き合える)アイドルがヴィジュアル系なのだ。

 

そこに慣れてしまうのかな。

あの、狭くて互いの承認欲求や自己顕示欲をぶつけ合うだけの陳腐な世界に。

 

結構な人気を誇るバンドでもメジャーデビューして活躍するバンドは少ない。

それはプロ意識がかけてるからかもしれない。

マチュアでやる方がよっぽど楽なのだ。

 

 

いまやブームは去ってしまったが

一世風靡をした最近のヴィジュアル系バンドと言えばゴールデンボンバーだと思う。

 

彼らは、音楽で食う為に楽器を捨てた。

 

楽器ができないと思ってる人も多いかもしれないけども

上手い下手は置いといて、みんな元々楽器をやっていた。

 

同じヴィジュアル系バンドマン達から後ろ指を刺され続け、バカにされ続けた。

でも、楽器を捨てるという事を貫き続けて彼らは成功した。

 

楽器を捨てる事が最大のプロ意識だったのかもしれない。

成功したら、また楽器を拾えばいい。

その考えだったから成功した今、ヴォーカルさんは楽器を拾えたのだろう。

 

ビジネスは成功してなんぼの物だと思う。

成功もしてないのに、ぐたぐた因縁をつけたところで敗者でしかない。

 

1度成功してから、やりたいことをやればいいのだ。

また、成功していたら逆に”親の死に目にも”やる事やってから来いとしか言われないと思う。

 

というよりも根本的に

音楽がやりたいと都会に飛び出し、30歳過ぎても定職つかず

体にいっぱい穴を開けて20代と同じ生き方をし親の死に目に必ず会いに来ると言ってる息子と

音楽がやりたいと都会に飛び出し、30歳過ぎても定職つかず

最後のチャンスだからと親の死に目に会えないようにがんばろうとする息子は

 

どっちがいいのだろうか。

 

両方糞だからなんとも言えないけど

やり切れるまで見守ってくれてありがとうと言われたい気はする。

 

どちらにせよ、早く就職はしてほしいかな。フリーターでは無くて。

 

奴の元メンバー達も私の友達でもあるから余計にもやもやするんだと思う。

 

 

奴が捨てるのはなんだろうか。

そもそも成功する確率はすごく低いのだけども。

成功しなくてもいい。

悔いなくやり切ったと思えるように頑張って欲しい。

 

 

 

 

 

 

余談だけどスポンサーさんに

「2人は寄りを戻さないのか?」とプロモーションライブの時に聞かれた。

 

「今のところ無いですね。」と答えたら

 

「奴と同じ事言うんだね。

奴はそれに付け加えて、自分が成功して君がまだフリーなら迎えに行くって言ったよ」

 

「それ、私に言っちゃダメなやつですねー。

でも、もしそうなったらOKしますよ。だって、それドラマすぎるじゃないですか。」

 

「確かにね。そう出来たら男の中の男だよね。奴は。」

 

「ですね。マジでノンフィクション小説書いて出版しますよ。

ただ、待つ事はしませんよ。私も彼も歳を取り過ぎたので。」

 

「そうかー。。ところでなんで、チケットで入ってるの?

パス貰えたでしょ?」

 

「奴を応援してる一ファンとして来てるからですよ。

だから、後でダメ出しも出来るんです。」

 

「いい関係だね。ホントに。」

 

 

一切会わない期間もあったけども、奴が23歳の時からの12年の付き合いなんですよ。

約3年間、一緒に暮らしても居たわけで。

元彼というか親友に近いのかもしれない。