投資女子は孤独死が怖い

元営業OL。新米ママに戸惑うクソ女の独り言。

打算女と恋愛男

「ごめん、大好きなんだけど

もう、辛いから別れよう」

 

 

 

半年程、経過した日の事だった。

 

こうなる事は、なんとなくわかっていた。

 

 

「付き合ってるわけじゃないし、大丈夫だよ。

 

プライベートで会うのは、もう辞めようね。

家にある私物だけ、今度取りに行くね。」

 

 

あっさりとした返事をした。

 

 

 

 

彼は、ちゃんと私と恋愛しようとしてくれていた。

 

 

ただ、私は変わらずに打算的な付き合いを続けていた。

 

 

そこで、温度差が生まれていたのはなんとなくわかっていたが

私はそのスタンスを変える気がなかったからだ。

 

 

 

自分が傷つく事を恐れ

1人になる事を恐れ

将来に漠然した不安を抱えた

 

保守に入っている、こじらせ三十路女はタチが悪い。

 

 

 

彼と一緒にいると

「あぁ、恋愛してくれているんだ」

と感じた。

 

 

 

私は、打算的に

 

お互い一緒にいてストレスは溜まらないか

金銭感覚の一致はするか

収入面はどうか

相手は私に何を求めているか

 

 

など、一線引いて付き合っていたと思う。

もちろん、彼だけではなく他の人も同一だ。

 

 

 

 

 

 

会社に、彼と8年来になる付き合いの同僚がいた。

 

その同僚は、彼と私の付き合いを知っていて

以前、3人で飲みに行った時に言われた事があった。

 

 

 

 

「いやー、でも良かったよ。

 

ほぼ一目惚れだったもんねー。

 

俺からみても

見た目も性格もタイプど真ん中だなって思ったもん。

 

涼宮ハルヒに似てるって大騒ぎしてたもんね。

あ、こいつの1番好きなアニメのキャラクターなんだけど。笑」

 

 

 

え、ねぇ

 

涼宮ハルヒって、涼宮ハルヒだよね?

それってちょっと悪口じゃね?

 

ねえねえ、似てるって

見た目なの?性格なの?

 

え、私

そんなワガママで変わり者に見られてるの?

嘘でしょ、嘘だと言ってくれ

 

 

そんな思考が頭の中に巡りつつ

 

 

 

「付き合って」と言われた時が

彼が体調を壊して、掃除しに行った時だったので

 

彼にも打算があったのだと思っていたのだが

違っていた事に、この時に気付いた。

 

 

 

 

この時から

一緒に居ても、お互いに良くないかもしれないと思い始めていた。

 

 

 

この温度差は、きっと彼を傷つけるだろう。

 

 

 

 

それが、現実になった。

 

 

 

 

 

 

来るもの拒まず、去る者追わず。

 

 

 

20代後半からだろうか

 

いつしか、10代・20代前半の様に

盲目的に人を好きだと思えなくなっていた。

 

 

色々な経験をし、色々な体験を聞き

好きなタイプが見た目や性格から

条件に変わってしまったのはいつだったのだろうか。

 

 

 

若い頃は、売れないバンドマンや自分のBARを持つのが夢な奴と付き合って

 

夢を追うのを支える事が幸せで

一緒にいるだけで幸せという時代も確かにあった。

 

 

ただ、今の私は絶対に出来ない。

 

 

 

 

好きなタイプは

安定した収入があり、優しくて、一緒に居て気を使わなくていい人。

 

 

婚活時に女子がよく言う好きなタイプ。

 

 

これって、好きなタイプじゃなくて

結婚する上で、最低限の条件ではないか。

 

 

 

なんだよ、好きタイプは涼宮ハルヒって。

 

似てないよ、クソが。

 

羨ましい。

 

 

 

 

今、思えば彼に対するただの嫉妬だったのかもしれない。

 

純粋な恋愛が出来ている彼に対する嫉妬。

 

彼に好きになって貰えた自分に対する嫉妬。

 

 

だから、あえて彼と向き合わず

傷つける事としか考えられなかったのかもしれない。